本田直之氏インタビュー

「無名の個人の時代 ~ビジネス書を読み、ビジネス書を書く~」第4回

聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎

 レバレッジシリーズをはじめ、著書累計150万部を超えるベストセラー作家の本田直之氏。著者のプロデュースも行っており、合計40万部を突破している。本田氏は「無名の個人の時代」や「時代のうねり」をどう捉えているのか。本田流仕事術からライフスタイルまでお伺いしました。

■近い将来のライフスタイル

―本田さんは将来、どのような仕事やライフスタイルにしたいとお考えでしょうか。

 僕は、もともと制約を受けることが嫌いで、まず服装の制約、そして場所の制約。毎日同じ場所に行かなければいけないとかすごい苦痛で・・・。あとは時間の制約。同じ時間に同じことをやらなければいけないとか。あと人の制約。相性合わない人と一緒に仕事をしたくないとか。最後にお金の制約。この制約をなくすためにどうすればいいかってやってきました。よくみんな勘違いするんですけど、お金の制約がなくなれば、自由になると思っている。お金をたくさん持っていても、時間の制約、場所の制約、人の制約、服装の制約があるのでは意味がない。お金がなくてもこれらの制約がないほうが人生充実するし、楽しいわけです。でもこれらの制約がなくなるっていうことはある程度自分で何かできる力をもっていないと、やっぱり誰かにコントロールされてしまう。

 今の時代は、いろいろな制約を受けずに仕事がやりやすくなっていると思う。だから、すごく良い時代だなと思うのです。10年前にはできなかったと思う。まず、場所の制約がかなりあったじゃないですか。インターネットがない、つまり会社にいかないと仕事にならない。ということは、イコール時間の制約があって、同じ時間にみんなが集まっていないとコミュニケーションがとれない。昔は、携帯もないし。それこそ、スーツを着ていないと仕事していないのと同じみたいな時代だった。お金の制約で言うと、昔は企業に勤めていないと稼げなかった。事業をやろうと思っても、資金調達が簡単にできなかっただろうし。人の制約で言えば、人を抱えていないと作業も捗らなかった。今はパソコンで10人分くらいのことができてしまうわけですよ。人を雇う必要がなくなってきた。すごく良い時代ですよ。

photo by Kaz Tanabe

―本田さんは人を雇っていないんですか。

 青山のオフィスでは雇うつもりは一切ありません。秘書も雇うつもりはないですね。

―ハワイでも?

 投資先に人がいれば良いわけですから。自分はそもそも、人の制約をなくすためにやっている。経営者を増やすなら話は別ですよ。自分で勝手に考えて、仕事をどんどん進めてくれる人がいるんだったら、それはそれでいい。だけど、そんな人はなかなかいないでしょう。

―服装で言うと、堀江さん*10もTシャツでやっていて、数年前だと目立っていたと思いますが、最近は、本田さんのようにスーツ以外の服装で仕事される人も増えてきたのではないかと思います。時代が変わったとも言えるのでしょうね。

 確実に変わってきましたね。たまに経営者向けのセミナーで講演すると、Tシャツとジーンズで講演するのは失礼だと書く人もいますが、堀江氏の頃に比べれば、仕事はスーツでするものと考える人は少なくなったと思います。彼ががんばってくれたから(笑)。

■テラスのあるお店で気持ち良く仕事をする

―お店で仕事をすると、自宅やオフィスのように周りに誘惑されるものがなく、強制力が働き、集中できると書いていらっしゃいますが、どんなところで仕事をしているのでしょうか。

 基本的にテラスがあるところが良いですね。一つは、今役員をしている「アロハテーブル」という代官山のお店です。株式会社ゼットングループ[名証セントレックス]が手がけています。役員だから行っているわけじゃなくて、本当に気持ちのいいところで、仕事に使える場所です。その横には、「アスロニア」というトライアスロンの専門会社が運営しているトライアスロンショップがあって、そこも僕が役員をしているので、時間が空いたときにちょっと顔を出せるので重宝しています。

―仕事は、オフィスでされるよりも外の方が多いのでしょうか。

 ハワイは、テラスで仕事をしなくてもどこでも楽しいので、テラスの店にこだわっているわけではないんですけど、仕事抜きで僕が一番好きなお店は「サイド・ストリート・イン」というお店です。そのために近くに住んでいるほどです。僕のハワイの本で必ず出していて、雑誌でも2回ほど紹介しています。普通来ないだろうというようなローカルな場所にあって、外から見ると怪しいお店なんですが、食べ物がすごくおいしいんです。

 日本にもう1店あって、「Lauderdale(ローダーデール)」っていう六本木ヒルズのけやき坂のに最近できたお店です。青山のレストラン「CITABRIA(サイタブリア)」を手がける会社が経営していて、ビストロみないなカジュアルなお店で、ここのテラスも気持ちいいですよ。できたばかりなので、ここではまだ仕事したことはないのですが、近いうちにしようかなって思っています。

―『なまけもののあなたがうまくいく57の法則』では、朝のトレーニングについても書かれていますが、トレーニングは毎朝されているのでしょうか。また、どのようなことをしているのでしょうか。

 今日もやってきました。日によるのですが、日本にいる間は、朝7時くらいから走って、その日の内容によって、スピードトレーニングをしたりとか、ロングを20~30km走ったりとかやっています。日によって少しメニューは変わりますけど、今日はラン10kmと、そのあとスイミングをしてきました。

 今年は、アイアンマン(スイム3.8km、バイク180km、その後フルマラソン42.195km)に挑戦しますので、仕事はもちろんのこと、そこに向けて気合を入れてやっています。NPOのジャスト・ギビング・ジャパンが手がけるチャリティ・プロジェクト「Run for Charity」にも参加していますので、ぜひ応援してください。

―それは素晴らしいですね。本日は貴重なお話を本当にありがとうございました。

[撮影:大鶴剛志]

*10 堀江貴文氏。株式会社ライブドア(現株式会社LDH)元代表取締役社長CEO。ブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ

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